【株価が高い=悪い投資!?】PERの本質を見抜け!田端慎太郎が語る「株価の割安・割高」完全入門

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はじめに|“株価が高いから買えない”という誤解

「株価が高い=割高」と思っていませんか?
実は、それだけでは投資判断を誤ってしまうことも——。
本記事では、20年の投資歴を持つ田端慎太郎氏のYouTube講義をもとに、株式投資の最重要指標「PER(株価収益率)」を中心に、割安・割高の見極め方を徹底解説します。

株を買うとは「会社の未来を買うこと」。その本質を理解するための第一歩として、以下の書籍も合わせて読むと、理解が格段に深まります。

このブログでは、田端慎太郎氏の実体験に基づいた解説をベースに、株式投資で最も重要な基礎知識——PER(株価収益率)を徹底解説します。

PERは、会社の利益に対して今の株価が割高か割安かを判断するための“数字のものさし”。
これがわかれば、見た目の価格に惑わされず、本当に価値ある企業に投資できるようになります。

PER(株価収益率)の比較:トヨタ自動車 vs 日産自動車

PER(株価収益率)の理解を深めるために、「トヨタ自動車」と「日産自動車」のPER比較表をご用意しました。以下のデータをご覧ください。

企業名 株価(円) 1株利益(EPS, 円) PER(株価収益率) 時価総額(兆円) 利益(兆円)
トヨタ自動車 5,000 250 20.0 50 5.0
日産自動車 3,000 100 30.0 3 0.1

この表をもとに、「PERが低いほど割安なのか?」「株価だけで企業の価値は判断できるのか?」というテーマについて、今後の章で詳しく解説していきます。

第1章|PERとは何か?──“何年で元が取れるか”の投資尺度

● PERは株価の「倍率」──つまり“利益何年分か”を測る定規

PERとは「Price Earnings Ratio」、日本語では株価収益率と訳されます。これは非常にシンプルな指標で、

PER = 株価 ÷ 一株当たりの利益(EPS)

で計算されます。

たとえば、ある企業の株価が5,000円で、EPS(一株当たり利益)が250円であれば、PERは「20倍」となります。
この20倍という数字が意味するのは、「この企業に投資した場合、今の利益が続けば20年で投資を回収できる」ということです。

要するに、PERは“株価が利益の何年分か”を表す倍率なのです。

この「20年で回収できる」という感覚は、不動産投資やビジネス投資でも同じです。例えば、1000万円で購入したアパートが毎年100万円の家賃収入を生むなら、10年で元が取れる計算です。株式投資もこの視点で企業を「何年で回収できるか」という尺度で見ることができます。

● PERの平均は?何倍が高くて、何倍が安い?

一般的に、PERは

  • 10〜15倍:適正またはやや割安
  • 20倍以上:やや割高
  • 30倍超:高い期待が織り込まれている
  • 50倍超:“バブル”の可能性あり

と言われます。ただし、これはあくまで目安であり、業種や成長ステージによって適正水準は異なります(これについては第6章で解説します)。


第2章|株価だけでは「割安・割高」は語れない

● 「株価が安い=割安」ではない現実

投資初心者がよく陥る誤解の一つが、「株価が安い=お得」という思い込みです。

たとえば、以下のようなケース:

  • トヨタの株価:5,000円
  • 日産の株価:3,000円

このとき、「日産の方が安いから割安だ」と考えてしまうのは危険です。株価の“額面”は、その企業の本当の価値を表していないことが多く、判断には発行済み株数を加味する必要があります。

● 時価総額という“企業全体の値段”で見る

「株価 × 発行済株式数 = 時価総額」
これが企業の実質的な値段を表す指標です。

仮に、トヨタの時価総額が50兆円、日産が3兆円であれば、単純に日産の株価が安く見えても企業全体としての価値はまったく異なるのです。

企業名株価(円)発行済株数(概算)時価総額(兆円)
トヨタ自動車5,000約100億株約50兆円
日産自動車3,000約10億株約3兆円

したがって、株価だけを見て「安い・高い」と判断するのではなく、企業の規模・収益性・成長性を複合的に見る視点が重要です。


第3章|【比較表で学ぶ】トヨタと日産のPERの違い

下記は、PER(株価収益率)の視点からトヨタと日産を比較した表です。

企業名株価(円)1株利益(EPS, 円)PER(株価収益率)時価総額(兆円)利益(兆円)
トヨタ自動車5,00025020.0505.0
日産自動車3,00010030.030.1

この表からわかるのは、トヨタの方がEPSも時価総額も大きく、PERは日産より低い=割安であるということです。

つまり、「トヨタの方が利益を出しているのに、それに対しての株価評価は控えめ」という見方ができます。


● ここで学ぶべきポイント

  • PERは見た目の株価とは関係ない
  • 利益の何年分で買われているかを見ることで“割高・割安”がわかる
  • PERは“その企業に対する投資家の期待値”そのもの

第4章|PERが高い株=ダメな株?その思い込みが危ない理由

● PER30倍、50倍、100倍の株はなぜ買われるのか?

PERが高い=割高、と短絡的に考えるのは非常に危険です。
たとえば、以下のような企業を見てみましょう:

  • Apple(2023年):PER 約28倍
  • Tesla(成長期):PER 100〜300倍を推移
  • Amazon(2010年代):PER 200倍でも投資家殺到

これらに共通しているのは「将来の利益成長に対する強烈な期待」です。

PERが高い=“現在の利益に対して高く評価されている”
= 将来、利益が飛躍的に伸びることを市場が信じている

つまり、PERの高さは期待値の現れでもあるのです。

● 割高で買っても儲かるケースがある

田端氏が言うように、「PERが高いから割高」とは限りません。
例えば、PERが100倍の企業でも、翌年に利益が3倍になれば、PERは一気に33倍に下がります。
つまり、【PERの変動は“利益次第”】で大きく変わるのです。


第5章|マルチプル×金利──株価を左右する“目に見えない力”

● 「金利が上がると株価が下がる」はなぜ?

これはPER=マルチプルに金利が直結するからです。

金利が下がる → 株の将来利益の価値が高まる → PER上昇 → 株価上昇

金利が上がる → 株の将来価値が減る → PER低下 → 株価下落

なぜこの関係が成り立つのか?
それは、株式が「将来の利益を現在価値に割り引いて評価する商品」だからです。

  • 銀行預金の金利が5%もあるなら、無理してリスクを取って株に投資する必要はない
  • 逆に金利がゼロ〜1%なら、株の将来利益が魅力的に見える。

これが「金利とPERの逆相関」の本質です。

● 長期金利が株式市場全体に与える影響

PERは個別銘柄だけでなく、市場全体の割高・割安判断にも使われます。
たとえば、以下のように:

年度日経平均株価平均PER備考
1989年(バブル期)38,957円約60倍利益水準に対して株価が異常に高かった
2024年(直近)約38,000円約14倍企業の実力(利益)も伴っている

つまり、バブルかどうかは「PERで測る」のが基本
価格だけでなく、利益に対する価格の倍率で見ることが、冷静な判断を可能にします。


第6章|景気とPERの相性──“歯磨きとシャンパン”で考えるセクター別分析

● PERは業種によって“適正水準”が違う

PERはすべての企業で同じ水準が適正なわけではありません。
たとえば、以下のような業種で大きな違いがあります。

業種代表企業例PERの傾向理由(概要)
日用品(ディフェンシブ)ライオン、P&G高めでも安定景気に左右されず、利益が安定している
自動車・輸出系トヨタ、任天堂業績連動で変動景気や為替に影響を受けやすい
高級ブランドLVMH、資生堂高PERもあり成長性+ブランド力に期待が集まる
海運・鉄鋼など日本郵船、JFE変動激しい景気に超敏感/利益の増減が極端
IT・SaaS企業メルカリ、Sansan極端に高くなる傾向利益が少なくても将来の成長性に期待が集まる

● 景気が悪くても買われる株と、好景気でこそ買われる株

田端氏の比喩「歯磨きとシャンパン」はこの違いをよく表しています。

  • 歯磨き(ライオンなど):毎日使う、景気関係なし → PER安定/守りの投資
  • シャンパン(LVMHなど):景気が良ければ消費拡大 → PERが大きく跳ねることも

このように、PERは単なる「倍率」ではなく、“業種における安定性や成長性を映す鏡”でもあります。


小まとめ:ここまでで学んだ3つの視点

  1. PERは企業の価値判断に欠かせない“利益倍率”の指標
  2. 業種や金利との連動性を意識することで見誤りを防げる
  3. 高PER=悪、低PER=良ではなく、“文脈”が重要

第7章|初心者が陥る「PERの罠」──数字だけで判断しない勇気

● 「低PER株=お得」とは限らない

田端慎太郎氏が語るように、株式投資初心者の“あるあるミス”がこちら:

「PERが10倍以下の銘柄だけを選んでいた。でも全然上がらなかった。」

この背景には、数字だけで判断してしまうリスクがあります。

  • PERが低すぎる場合、市場が将来の業績悪化を織り込んでいる
  • 赤字転落や事業撤退など、外からは見えないリスクを抱えている
  • 金利上昇・産業トレンドの転換など“外部要因”で割安に見えるだけのことも

つまり、「割安=安全」ではなく、「割安には理由がある」と考える必要があるのです。

● PERの“見せかけ割安”に注意するポイント

次のような銘柄は要注意です:

銘柄状況チェックポイント
一時的に業績好調(特需系)継続性がない場合、PERは“見かけ割安”になりやすい
業界再編中・構造問題あり業績改善の見通しが立たなければ、PERは低くても評価されない
高配当でPERも低い株価下落により配当利回りとPERが低くなっているだけの可能性

PERだけで判断しないためには、成長性・安定性・ビジネスモデルなどもセットで見ていく必要があります。


第8章|実践:PERを使った「仮査定トレーニング」

● 自分の気になる企業にPERを当てはめてみよう

今あなたが気になっている企業、たとえば「ユニチャーム」や「任天堂」「三菱UFJ」など、どれでも構いません。以下のステップで仮査定を行ってみましょう。


【PER仮査定・5ステップ】

  1. 証券サイトで株価とEPS(一株利益)を調べる
  2. PER(=株価 ÷ EPS)を計算/確認する
  3. 過去5年間の平均PERと比較する
  4. 業種平均PER(セクター別)と比較する
  5. 直近の決算内容をチェックする

● 例:任天堂

  • 株価:8,000円
  • EPS:400円
  • PER:20倍

→ 任天堂の過去平均PERが15倍なら、今はやや高い水準かもしれません。ただし、新ハード発表など将来の成長性に対する期待が強いなら、20倍は妥当ともいえます。

このように、「数字を背景とともに読み解く」ことが、PERを活用する投資の第一歩です。


結論|PERを知れば「株価が意味を持つ」

PERは、株価が何を意味しているのかを理解する“翻訳機”のようなものです。

  • 株価は単なる「数字」ではなく、利益に対する市場の期待値
  • PERを使えば、「企業がどれほど買われているか」の目安が見える
  • 逆に言えば、PERなしでは「なぜ株価が高いのか/低いのか」がわからない

【読者へのCTA】今すぐできる「PER投資ルーティン」

“気になる企業をPERで見る”クセを、今すぐつけよう。

以下のルーティンを日常に取り入れるだけで、あなたの投資力は格段にレベルアップします。

□ 今日から使える「PER投資チェックシート」

  • 株価:
  • EPS(1株利益):
  • PER(株価 ÷ EPS):
  • 業界平均PER:
  • 5年平均PER(その企業):
  • 将来の利益予測は?(ニュース、アナリスト情報):
  • 金利動向は?(高→割引率上昇=PER圧迫):

このテンプレートを日々使えば、PERを“感覚”でなく“数字”で掴む習慣が身につきます。


【関連書籍】

以下の書籍を読めば、PERだけでなくPBRやROEなど複合的な企業分析の考え方も身につきます。

● ジム・クレーマーの株式投資大作戦

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→ 田端慎太郎氏が“師匠”と語る名著。PERの実践活用法も多数。

● マンガでわかる 株式投資!

👉 Amazonで見る
→ 初心者が「PERって何?」から入れる入門書。実例も豊富。


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【クリエイティブノート】

本記事は田端慎太郎氏のYouTube講義内容をもとに、著作権上問題のない形で再構成・解説したオリジナル記事です。引用部分は要約・変換処理を施し、教育目的に準拠した内容としています。

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